私たちは行政からの依頼や、飼い主さんの事情により手放されたケース・殺処分間近の動物たちの引き上げ・保護を行っています。築50年、80坪の古民家を、動物たちが保護期間を快適に過ごせるよう、自分たちの手でリノベーションしながら活動しています。
Ennでは高齢や疫病、障害の有無に関わらず、全ての保護動物を譲渡対象としています。それを個性と捉え、そういった動物だからこそ、と手を差し伸べてくださる里親様を待っています。
団体名は「Enn」。
名前の由来はシンプルに「ご縁」からつけました。これからも人と人、人と動物、動物と社会、様々のご縁が広く繋がっていきますように…
2007年、旅先で訪れた南米アルゼンチンにて、今の活動の原点になる
出来事がありました。その頃の私は、海外に渡って自転車でツーリン
グをするという趣味に没頭しており、当時も南米の最南端を目指し、
大陸を縦走していました。アルゼンチンのとある田舎町からいつまで
も私についてくる2頭の犬がいました。餌を与えたわけでもないのに、とても楽しそうについてきて、宿に泊まってもその宿の前で一晩中待っているほどでした。
160kmほどついて来て、いよいよ国境を越えなければならない時、私は「これ以上ついて来てはいけないよ」とその犬たちを追い払おうとしました。するとその姿を見た現地の人たちが、私が犬に襲われていると勘違いをしたようで(とても野犬が多い地域でもありました)、私を助けようとその2頭の犬たちに投石し、棒などで執拗に殴る、蹴るを繰り返しました。「ちがうんだ!」と言っても言葉が未熟で通じず、激高した南米人を前に私は為す術がなく、ただ呆然と見つめることしかできませんでした。ようやくその犬たちはフラフラになりながらも逃げていきましたが、私にはずっと後悔と懺悔の気持ちが残りました。
その出来事から”もの言えぬ動物たち”のことについて考えるようになり、帰国してからは動物福祉について貪るように学びました。
元々医療従事者であった私は、これまでも地域医療に従事している中で、高齢や急病を理由にペットを手放す人があまりにも多いことや、そのような動物たちが殺処分される現状に胸を痛めていました。
そこでボランティアに参加し様々な経験や勉強をさせていただく中で、いつしか自分の手で動物たちの生活の質(QOL)を重視した保護施設を作りたいと強く思うようになりました。
ただ命が助かり「生きている」だけではなく、その場所で健やかに過ごせられるようなそんな施設…
経験を重ね、構想を続け、南米での出来事から15年経った2022年にEnnを発足しました。
"もの言えぬ動物たち"が何不自由なく、その命を全うするために。そして、そもそもこのような施設を作らなくてもいい社会にするために。これからも微力ながら全力で活動してまいります。
代表 森岡しずか
●犬部屋
犬舎はすべてが手作りです。「個の空間」を大切にし、一頭ずつが落ち着いて暮らせるように広めに作っています。限られたスペースを有効に活用するため、可動式の犬舎を作るなど、工夫を凝らしています。
デイルームやドッグランもあり、人と犬、犬同士のコミュニケーションの場になっています。
●猫部屋
猫部屋は3部屋あり、必要に応じて仕切ったり、開放して広く自由に行き来できるようにもしています。
手作りのキャットウォーク、隠れることができる場所や、窓辺にくつろげる場所もつくっています。様々な性格・性質を持った猫たちが思い思いの場所で過ごせるように心がけています。
所在地 :
〒636-0132
奈良県生駒郡斑鳩町目安1丁目10-18
●西名阪自動車道「法隆寺」ICより5分(駐車場あり)
●JR大和路線「法隆寺駅」より徒歩20分